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執筆者の写真恒希 長谷川

ひとり芝居 創作過程 書き散らし②

ひっそりと始めたこのブログ。どうやらまだ誰にも発見されないでいるらしい。

今日も、約1か月後に迫った釧路公演「おはようくしろ」の稽古過程を書いてみる。


今日は、2本目の演目、「婚活パーティーに来たオジサン」の稽古を、台本の半分ほどまで通してみた。

ランタイムで10分少々。

ネタばれを防ぎつつ紹介するのは難しいですが、この演目は、48歳のオジサンが、母親のために婚活パーティーで四苦八苦するというお話。


台本の段階からこのオジサンを「気持ち悪く」書いたんですが、芝居にしてみるとこれがどうにも気持ち悪い。「気持ち悪くて笑いづらい。」とは演出の関根の言葉。ヒドイ。ショックを受ける。しかし、芝居を作る上では気持ち悪さだけではいけない。キャラクターの中に「可愛さ」を入れ込まなければいけない。


この「可愛さ」というのが、キャラクターを作り込むうえで肝になってくるもので、「このキャラクターはこういう変なヤツなのだ!」という断罪チョップ的な作り方をしているうちは、なんとも面白みに欠ける一方通行的なキャラクターになってしまう。


ここに「可愛さ」が入ってくるとグッと深みが増して面白くなるのだけど、その「可愛さ」の正体はなんだろう。


現時点での持論では、平たく言うと「自分との共通点」です。

そしてその共通点は自分の至らなさであることが重要。弱点とも言えますね。

自分の悪いところがキャラクターの中に見えてくると、芝居中のキャラクターにどうしても肩入れしたくなって、キャラクターの一挙手一投足が自分事に近づく気がするのです。


思うに、演技とは、「自分と全くの別人を演じる」のではなく、自分の中の無意識に自覚的になることで、「自分の中の意識できなかった自分を演じる」ということなのだと思う。


つまり、本質的に人は自分以外の人間を演じるなんてことはできないのではないか?というのは暴論でしょうか。


閉店間際のスターバックスで台本を改めてじーっと眺め、ノートに殴り書きをしていると、このオジサンとの共通点が薄ぼんやりとですが見えたような気がしました。


そしてこの感覚が客席の皆さんと通じ合いますように。オイノリ。

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